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大学病院救急科から利用者の自宅へ。男性看護師が訪問看護を選んだ理由

河手 優樹 / 管理者 ルート訪問看護ステーション西宮。看護師6年目。兵庫医科大学病院救急科を経て、ルート訪問看護ステーションの立ち上げメンバーとして参画。現在は西宮ステーションの管理者として約41名のメンバーをまとめる。高校時代はバスケットボール部のキャプテンを務め、リーダー経験を早くから積む。「チームで一緒に、気持ちよく働ける環境をつくりたい」が、今の自分を動かす原動力。

河手さんの1日密着動画

「このまま病院にいても成長できない」救急科を辞めた本当の理由

はい。急性期の最前線で、毎日が緊張感の連続でした。楽しかったし、好きでしたよ。救急ってドラマみたいな場面が本当にあるんです。でも、2年が経つ頃には、じわじわとしたモヤモヤを感じていて。

一番しんどかったのは、「頑張っても頑張らなくても同じ」という感覚でした。病院という大きな組織では、給料も昇格もほとんど年次に連動して動いていく。どれだけ勉強して、どれだけ患者に向き合っても、その努力が評価につながる感覚がほとんどなかった。それが、自分の中ではどうしても納得できなかった。もっと頑張りたい、もっと上にいきたいと思ってたから、余計に。

そうなんだと思います。それともう一つ、心の中にあったのが「看護師だけで人生を終わりたくない」という気持ちです。チームをまとめること、営業的なコミュニケーション、組織のマネジメント。そういったことが、自分の中ではずっと気になっていたんです。病院にいる限り、そういう経験をする機会はなかなかない。看護師という枠を超えて、もっといろんな仕事をしたかったんです。

はい。声をかけてくれたのが、当時の直属の上司だったんです。教育担当として、右も左もわからない自分に医療や病気のこと、患者との向き合い方を丁寧に教えてくれた人です。病院の中で、一番尊敬していた人でした。そんな人に誘われたって、そりゃ嬉しいじゃないですか(笑)。選ばれたという感覚もあったし、何よりその人と一緒に働けるという期待が大きかった。それが、訪問看護の世界に飛び込む決断の最初の一歩でしたね。

ベンチャーの洗礼。初めて給与を見た時の「え、これ大丈夫か」

誘われている段階では、ふわっとした期待感の方が大きかったんですよ。でも、いざ転職が決まり、初めて給与の話に向き合った時、現実の重さが一気にやってきて。ベンチャーだから、最初は正直、低かったんです。え、こんなに下がるの?って、めちゃくちゃ不安でした。

そうなんです。でも将来のロードマップは聞いていました。利用者が100件を超えれば黒字化して、段階的に給与を上げていく、1年後には病院時代の水準に戻してそれを超えていく、という話は。頭では理解していたんですけど、実際に数字と向き合うと、やっぱり気持ちが揺れましたね。

「いつか上がる」と自分に言い聞かせるしかなかった部分もあるんですけど(笑)。あとは、学生時代から少しずつ続けていた資産運用が、心の安定剤になっていたかなと思います。NISAの積み立て投資や社会人になってからの株式投資を細々とやっていたので。お金の面での不安が、逆に早くから動くきっかけにはなってましたね。

立ち上げから3〜4年で、訪問件数も増えて、チームも拡大して、自分は管理者というポジションを担っています。あの時の選択は、正解だったと思ってます。

訪問看護でしか味わえないもの「一時的に家族になれる感じ」

病院では、どうしても「患者さん」と「医療者」という縦の関係が生まれやすい。白衣を着て、処置をして、治療方針を伝える。専門性がある一方で、ある種の距離が生まれるんですよね。でも訪問看護は違う。利用者さんの家に上がらせてもらって、その人の日常の中に入っていく。医療的なことだけじゃなくて、今日どんなことがあったとか、昨日のテレビ面白かったとか、そういう話もするんです。その人の生活の一部に、自分が混ざり込んでいく感じで。

そうなんですよ。僕はそれを「一時的に、家族になれる感じ」と表現しているんですけど。家族だから、医療の話だけしていればいいわけじゃない。その人が何を大切にしていて、何が不安で、どんな毎日を送りたいのかを一緒に考える。決まった時間に来て、決められたことだけやって帰っていくのでは、その感覚は生まれない。プラスワンという言葉をうちの会社は大切にしているんですけど、まさにそういうことだと思っています。求められていることよりちょっとだけ多く提供できるように意識しています。

高校時代にバスケットボールの試合中に足を怪我して、切断寸前と言われる状態で2週間入院したことがあって。大好きだったバスケができなくなるかもしれないという恐怖と絶望の中で、そばにいてくれたのが男性の看護師さんだったんです。部活のこと、恋愛のこと、17歳の自分が抱えていたもやもやをただただ聞いてくれた。それで、だいぶ救われたんですよね。その体験が、今の自分の根っこにあると思います。

リーダーになって気づいた「伝え方」の重さ

訪問看護という仕事の性質上、メンバーは直行直帰がほとんどで、全員が顔を合わせる機会が多くないんです。チームにはママさん看護師も多くて、お迎えがあるため業務後に集まることも難しい。だからLINEワークスを活用して、日々の小さなやりとりを欠かさないようにしています。不満って、言えない状況が一番まずいと思っていて。どんな小さなことでも報告できる雰囲気をつくりたい。

学生時代からずっとそこは気をつけてきましたね。中学では副キャプテンと生徒会副会長を兼任して、高校ではバスケ部のキャプテンを務めて。まとめ役を任されることが多かったんですけど、怒鳴ったり、頭ごなしに叱ったりはしなかった。誰かが人前で恥をかくような状況は、絶対に作りたくなかったので。イラッとしても、一回自分の中で噛み砕いてから話す。それはずっと意識してきましたね。

変わらないですね。むしろ、チームの人数が増えるほど、伝え方の影響は大きくなると感じています。言ったことを、まず受け止めてくれる人と働きたい。だから自分も、そうあろうとしている。管理者という立場でも、メンバーとの距離は開けたくないし、何かあった時に相談しやすい関係でいたい。そういう風通しのよい職場が、自分には合っているし、つくっていきたいと思っています。

「みんなが定時に帰れる組織」をつくる。それが今の自分のテーマ

業務の効率化です。会社が成長フェーズにある今、人が増えるペースに教育や仕組みが追いついていない場面があって。スケジュールの調整、新しいメンバーへの教育、チームのサブリーダーへのフォロー。やることが山積みで、自分も遅くまで残ってしまうことがある。それがサブリーダーの子の勤務時間にも影響してしまったりして。そこはちゃんと改善したいんです。

みんなが気持ちよく出勤して、気持ちよく帰れる職場。自分も家族ができたし、早く帰りたいですしね(笑)。でも、それって自分だけの話じゃなくて、チームのみんなにとっても、そうあってほしい。無駄を省いて、仕組みを整えて、嫌な気持ちで働いてほしくない。それが今、一番大きなテーマです。

看護部全体を動かせるようなポジションにいつかなれたらと思っています。全員がギスギスせず、訪問看護って面白いなって思いながら働いてもらえたら、それが理想ですね。大きな話というより、目の前の仲間を大切にしたいという、シンプルな気持ちから来ている目標なんですけど。

転職を考えているあなたへ。「誰と働くか」が全てを変える

転職を決める時、条件や待遇を見るのはもちろん大事です。でも、僕が一番大切にしたのは「誰と働くか」でした。尊敬できる人がいるか。何かあった時に相談できるか。言ったことを一旦受け止めてもらえるか。そういう人の部分が、毎日の仕事の質を決めると思っています。待遇は変えられる。でも、人間関係の土台はそう簡単には変わらない。

ルート訪問看護ステーションは、若いメンバーが多くて、同世代だからこそ、小さな意見でもちゃんと拾ってもらえる雰囲気があります。少数派の声でも、一旦検討してもらえる。そういう風通しのよさは、老舗の大きな組織ではなかなか難しいと思うんですよね。

病院での経験を活かしながら、もっと違う関わり方がしたい。成長できる環境でちゃんと評価されたい。誰かの日常に深く関わりたい。そう感じているなら、ぜひ一度、話を聞きに来てほしいですね。ここに来てよかったと、今は心から思えています。同じように言える人が、一人でも増えてくれたらいいなと思っています。

1日スケジュール 

📅 1日のスケジュール
7:00起床起床
9:00訪問看護1件目 サービス提供
9:40移動2件目へ移動&車内事務
11:00訪問看護2件目 サービス提供
12:00休憩事務所で昼食・休憩
13:00〜管理管理者業務・会議
18:00終業終業
📅 1日のスケジュール
7:00
起床
9:00
訪問看護
1件目 サービス提供(自宅から直行)
バイタル確認・処置・生活状況のヒアリングなど
9:40
移動
2件目へ移動 & 車内で事務作業
移動時間を活用して記録・報告書作成を並行処理
11:00
訪問看護
2件目 サービス提供
利用者さんの自宅にてサービス提供
12:00
事務所で昼食・休憩
13:00
マネジメント
管理者業務
スケジュール調整・メンバーフォロー・書類対応など
14:00
マネジメント
チームミーティング
チーム全体での情報共有・課題確認
15:00
マネジメント
管理者業務
翌日以降の訪問スケジュール確認・メンバー連絡
18:00
終業

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