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一度、医療現場を離れた僕が戻ってきた理由。営業職を経た理学療法士がデイサービスの責任者になるまで

東出 大知 / 理学療法士・管理者 ホーミーリハビリデイサービス甲子園店管理者。大阪の医療大学卒業後、スポーツ整形外科クリニックで理学療法士として勤務。1年後に法人営業へ転職し、約1年半勤務した後、再び医療業界へ。2024年にホーミーリハビリデイサービス苦楽園店へ入職し、わずか1年で副管理者に。2025年10月、甲子園店の管理者に着任。

東出さんの1日密着動画

入職1年で副管理者へ。もともと理学療法士でずっと働くつもりはなかった。

リハビリ特化型のデイサービス、ホーミーリハビリデイサービス苦楽園店で副管理者をしています。10月からは新しくオープンする甲子園店に異動になるので、今は引き継ぎや営業活動の準備で忙しい時期ですね。

そうですね。西宮北口店からスタートして、苦楽園店に異動して、また甲子園店に移るという流れで、弊社が西宮で展開している3店舗すべてに関わらせてもらっています。実はマネージャーと僕くらいなんですよ、3店舗ともで仕事をしたことあるのは。

現場6〜7割、管理者業務3〜4割という感じですね。管理者業務は請求関係の業務、送迎ルートの作成、シフトの調整、新店舗の準備、営業活動などです。日によって業務の比率は変わります。

どっちも好きなんですよ。現場では利用者さんとお話しできる楽しさがありますし、管理者業務の方は、送迎ルートを組んで「どうやったらうまく回るかな」と考えるのも好きです。マルチタスクは苦手ではないですし、切り替えができるタイプなので、いろんな業務を任せてもらえることも、楽しくやれています。

20分のリハビリでは根本的には変わらない。1年で医療を離れた理由とは。

はい、大学を卒業して、まずスポーツ整形のクリニックに入りました。学生のスポーツ選手や若い世代の方が多いところで、運動指導が中心の現場でした。

「ずっとここにいていいのかな」と1年経った頃に思うようになったんです。3年は続けた方がいいとよく言われますけど、早めにかじを切った方がいいかなと。実は20分のリハビリで痛みは取れても、結局次の週には同じ状態で戻ってくる方が多かったんです。その20分のリハビリ自体はとても重要です。ただ、それだけだと現状を繰り返しているため、根本的に変わらない人が多いように感じました。

患者さん本人が良くなるための考え方を自分の中に落とし込めるかが大事だと思いました。そのためには伝える力が必要だと感じました。リハビリのスキルで先輩にすぐ追いつくのは難しいけど、「伝える」ことは昔から得意だったので、そこを磨くのが自分の武器になるかなと思いました。

営業職を一度経験してみたかったんです。デスクワークというか、いわゆる営業マンの仕事ですね。転職先は医療とは全然関係ない業界で、業務効率化のツールを扱う会社に派遣社員として入りました。

法人営業で得たものは、数字を追う面白さと人に伝える設計力

書類を電子化するツールや役所の請求業務を効率化する仕組みを扱っていました。電話でアポを取って、商談に出向いて、ウェブ商談もして。ベンチャー企業だったので、社長さんとの距離も近くて、「今日は何件電話して、何件アポ取った?」という会話を普段からしていました。そこからいろんな仕事を任せてもらえるようになって、数字を追っていく業務まで任せてもらえたんです。

全然違いました。この時の経験を通じて「しゃべる内容を準備しておくこと」の価値を学んだと思っています。誰にどんな話をすれば伝わるか、タイプ別にどんな話をすればいいかということを意識する習慣がつきました。

めちゃくちゃ活きています。今もケアマネージャーさんに営業に行きますし、デイサービスの体験会に来てくれた利用者さんを車で送迎する時にも活かされています。その車内の数分でどんな会話から始めるか、どんな話題を出せば仲良くなれるかを意識しています。具体的には「西宮に何年住んでるんですか?」のような誰でも答えやすい質問から入って、家族構成や好きなことまで自然と聞けるようにしています。営業時代に身につけた話術が、いまの僕の核になっています。

ちょっとの期間ですけど、正社員になりました。でも、社長には「ずっとこの業界で働くかはわからない、医療業界に戻りたい気持ちもある」と最初から正直に話していたんです。それでも責任ある仕事を任せてもらえたことは本当に感謝しています。

「やっぱり人の力になりたい」医療業界へ戻った決断

そうですね。営業で数字や仕組みを学んだのはすごく大きかったんですけど、自分はやっぱり「目の前の人と関わって、その人の何かを動かす仕事がしたい」と気づいたんです。リハビリの現場で、一人ひとりに時間をかけて関わることが自分にとってかけがえのないものだったと、離れてみて分かりました。

面接担当が木下社長だったんですが、その時に聞かせてもらった会社の未来にすごくワクワクしました。それからリハビリ特化型のデイサービスという形態が新鮮で魅力を感じました。最初は訪問看護もやってみたいと思っていたんですが、「現場経験がまだ少ないなら、サポート体制があるデイサービスから始めるのもいいんじゃない?」と提案してもらえたんです。それがすごく腑に落ちました。

木下社長は「化け物になりたい」って、よく言うんですよ(笑)。身近にいた理学療法士には絶対いない発想だなって。この業界って、どうしても「現実的な目標」を置きがちなんですよね。高い目標を掲げてできなかったら、その人を傷つけるかもしれないから。でも木下社長は、現状の外側にポーンと目標を置くことを大切にしている。仮に達成しなくても、そっちの方が成長度合いとしては絶対に大きい。そういう前向きな目標を口にしてもいい場所だなって、最初の面接で感じたんです。

「現状維持は、衰退の始まり」高齢者にも前向きな目標を持ってほしい。

そう思います。現状維持は衰退の始まりって、よく言うじゃないですか。年齢を重ねれば筋力が落ちることもあるけれど、それでも前向きな目標を持っていいと思うんです。「ここに行きたい」「これをやってみたい」って、どんどん言わせてあげられる場所でありたいんです。

楽しく運動することを大切にしています。例えば、ロープをつり下げて皆さんと一緒に体操をやるときは、僕自身もしっかりと声を出しながら見本を見せて、それを真似してもらうようにしています。すると自然と会話が生まれて雰囲気が明るくなるんです。気持ちが明るくなると自然と前向きな会話になってくるんですよね。運動を入り口にして、外に出てもらう機会を作ることが僕のスタンスです。

自分も家にいるだけだと気分が落ちちゃうので(笑)。外に出ること自体が億劫になると、運動量も落ちてしまいます。だから、外に出たら気持ちいい運動ができるんだよっていうのを伝えたいんです。

「言いくるめるのは好きじゃない」利用者さんには強制せず、選択肢を渡す

言いくるめるみたいなのが、すごく好きじゃないんですよ。「ここがいいよ」って強く言うんじゃなくて、本人さんに「ここがいいな」と思ってもらった上で選んでほしい。本人の意思で選択したことが、その人にとって一番価値になると思うんです。

たぶん昔から、根っこにあったと思います。営業をしていた時も、無理に押し売りするのは違うなと感じていて。それと、こちらが決めすぎてしまうと、本人が選択する場面がどんどんなくなります。利用者さんには、やりたいと思ったことを自分で選択できるようになってほしいです。

管理者として店舗展開の土台を作りたい。

2025年10月に甲子園店をオープンするので、まずは管理者としてそこをいい形にしたいですね。利用者さんはもちろん、スタッフの人たちも働きやすい・楽しい・効率的というシステムを作りたいです。

そうですね。西宮の3店舗が土台になって、そこから他の地域、他の県へ広がっていく流れだと思うので、まずはこの土台作りをしっかりやりたいマネージャーの林さんと僕しか3店舗全部に関わってきた人はいないので、その経験は活かしたいです。

「医療を一度離れた経験こそ、強みになる」キャリアに迷う人へ。

セラピストとして数年働いて、「このまま現場で続けていいのかな」って迷う時期は、きっと多くの人にあると思うんです。僕も1年目でそうでした。でも今振り返ると、あの時に思い切って医療業界の外に出てみたから、今の自分があると思っています。

ありましたよ。資格を活かさないことへの罪悪感もありました。でも、戻りたいという気持ちがあれば、戻れない業界ではないと思っています。むしろ、外で得てきた営業経験や数字を追う感覚、人に伝える設計力みたいなものは、戻ってきてから何倍にもなって活きています。一度離れたからこそ、今、責任者として動けているという感覚があります。

僕みたいに「キャリアを少し寄り道してきた人」も戻ってこられて、新しい挑戦ができることだと思います。訪問看護に比べてデイサービスは現場で経験を積みやすいし、サポート体制もあります。なので、医療業界に戻りたいけど現場のブランクが不安という方にも合う場所だと思います。

ありがとうございます。寄り道はムダじゃなかったって、今は心からそう思えていますし、これからキャリアに迷う方の選択肢になれたらいいなって思います。

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